「今年も隣同士じゃん!
今年こそはイケメンの隣が良かったんだけどなぁ。」

「おい。俺以上のイケメンなんていねぇだろ。」

2人はキャッキャと笑っている。

(この2人が後ろの席ってちょっと厳しいな…)

この時点で私の望みは左隣の子と、前2人に絞られた。
カップルさんには関わらないでおこう。


…そう思った矢先。

「小野町なんて子専門コースにいたっけ?」

「知らねー。1組とかはあんま交流なかったし、1組とかじゃね?」

黒板に書かれた席順を見て、カップルさんがそう話し始めた。

「そうなのかなー。

…ねぇねぇ!」

背中をぽんぽんと叩かれた。
私を呼んでいるのは確実。
心臓がどくん、とした。
少しでも苦手意識を持ってしまった人に話し掛けられるのは、それが相手に伝わってしまいそうで怖い。
シカトするのも気まずいし、ゆっくりと後ろを振り返る。

「あなた元何組?」

「…8だよ。」

少し間が開いてしまったけど、なんとか笑顔で答えた。

「じゃぁ島流しじゃねっ!?」

彼氏さんの方が大きく反応した。
その瞬間クラスの視線が一斉に集まったような気がした。