美樹の話を要約すると、こういうことだった。
翼と美樹の付き合いはじめにははっきりとした言葉はなく、カラダから始まった関係らしい。
それでも一応、携帯の待受を2人の写メにしたり、専用のフォルダも作ってくれたから、美樹も安心して自分は彼女だと認識していた。

でもどうやら、翼は合コンに何度も参加しているらしかった。
美樹の同じ中学だった子が、合コンで翼と知り合ったという。
そしてその時の合コンで美樹の友達に2人で抜けることを提案してきた。

美樹の友達は翼と美樹の関係を知っていたから、うまく交わしつつ探りを入れると、彼女はいない、と言っていたそうだ。
そして美樹の友達が翼と抜ける気がないと分かると、今度は別の女の子と話しはじめ、気付いたら2人は居なくなっていた。


「なんだそれ…。」

呆れすぎてそれ以上の言葉が出てこない。
翼の合コン好きは知っていたし、俺が凜子と付き合いはじめたことを知ってからは、何度もセッティングを頼まれていた。
でも美樹と翼が付き合いはじめたと聞いてからは、セッティング依頼もなくなっていた。
だから俺はてっきり、美樹と真剣に付き合っているのだと思っていた。