俺が凜子への気持ちに確信を持ってから程なくして、俺達は付き合うことになった。
俺にとって凜子は初恋の女で、凜子はそれを受け止めてくれた。
俺にとってはそれだけで奇跡みたいな出来事だ。

でもそれだけじゃなくて、俺より確実に経験の多いはずの凛子は、だからといって2人の主導権を握るわけでもなく、優しく、時には厳しく、俺との関係を築いてくれた。
それはまるで、俺には与えられる事のなかった母親の愛情のようだった。
本物のそれを感じた事がないから、本当のところはよく分からないけど、きっと間違っていないと思う。

もちろん、恋人としての愛情も、凛子はたくさんくれる。
今まで女なんて…と思っていた俺。
もちろん、今もそう思っている。
でも凛子だけは特別だ。
俺は凛子をすごくすごく大切に思うようになったし、誰よりも凛子を好きな自信がある。