昼休み、いつものように屋上で過ごしていた。
季節は夏で、蝉の鳴き声が四方から響いていた。
日なたはうだる様な暑さだったけど、日陰は地面もひんやりと冷たく、風が心地好かった。

凜子が作った弁当を食べ終えた俺は、寝転がってのんびりしていた。
凜子は背中まである髪の毛先を入念にコームで梳いている。

「それエクステっしょ?」

俺が冷めた声で尋ねると

「うん…すぐ絡まっちゃうんだよねー。」

凜子が苦笑しながら俺の顔を見た。
言ってもいいだろうか…怒らないだろうか。
少しの間目をつぶって考えていた。
目を開けると、不思議そうにこちらを見る凜子の顔があった。

凜子の反応を試すように、口を開いた。