「あぁ…なんだ、別に減るもんじゃないんだ。人助けだと思って」

「減ったら余計悪いわ!って…人助け??」


何がどうなれば人助けにつながるっての??


首を傾げていると、少しだけ苦笑ぎみにアヤが問いかける。

「お前は、好きでもない相手と、一緒になることはできるか?」

「はぁ?」

アヤの言葉の意味が分からず、私は気の抜けるような声を上げた。

「そうだな、んー…政略結婚と言った方が分かりやすいか?」

「え?」


政略結婚。
ドラマや小説なんかでは聞いたことあるけど…


「なに、それ。今時、そんなの」

そこまで言って、アヤの表情がぎこちない気がして、思わず眉をひそめた。

「まさか…婚約云々って言ってたけど、あれ…」

恐る恐る聞いてみると、アヤは少しだけ肩をすくめながら頷いた。