隣でほっと息をつくアヤ。

私はただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。

「おい!」

「へあ!?」

バチン!と乾いた音が部屋の中に響き渡った。
突然アヤの顔が目の前に現れて、驚いて思わず頬をひっぱたいてしまっていた。

「あ、ごめ…」

「何すんだ!いきなり!」

アヤに怒られて、ごめん、と言いかけてふいに気づく。


私、何で怒られなくちゃいけないわけ?
てか、私悪くないし、被害者じゃん!?

「いきなり何するんだはこっちのセリフよ!」


どんなにちょっといいかな?って思ったとしたって、いきなり人前でキスなんてされたら誰だってビックリするし、怒るのは当然じゃない!しかも、あんな…


思い出しただけで顔がかぁっと赤くなっていくのが分かった。