「アヤ!」

驚きで声が出なくて、呆然としていたら、突然今度は入り口のドアが勢いよく開いた。
そこには綺麗なお姉さんがものすごい形相で立っていた。

「…そこの小娘は何なの?」

「こ…!?」

初対面で小娘呼ばわりされてカチンとくる。


綺麗なお姉さんだけど、なんかむかつく!


「明日が期限なのよ?諦めてとっとと帰ってきなさい」

何のことを言っているのかさっぱり意味がわからない。
が、とりあえず、アヤと知り合いらしいことだけは分かる。

当の本人をちらりと横目で見てみると、アヤは涼しげな顔で首を横にふって答えた。

「嫌だね」

アヤはぐいっと私の肩を抱き寄せて笑って続ける。

「俺に好きな人ができたら、婚約は解消していいはずだろう?おれ、この子と付き合うことになったから」


えええええ!?