なんだかドラマみたい。
そんな恋、ってか恋愛?結婚?
ま、どっちでもいいけど、そういうのってほんとにあるんだ。


ちょっぴり感動していると、アヤは小さく笑った。

「どうした?そんな顔して」

「へ?」

「羨ましそうな表情をしていた」

アヤに言われて、思わず照れ笑いする。


そ、そんなに顔に出てたかなぁ…
でも。


「羨ましいよ、実際。だって、旅先で恋に落ちて、そのまま結婚しちゃうんだもん」

はぁ、とうっとりとこの場に居ない、アヤの母親に向けて羨望の眼差しを送る。

「そうか?」

「そうだよ。私なんて失恋したばっかりで…」

そこまで言って、自分でも少し落ち込む。

「…そうだよ。私、丁度失恋したばっか」

改めて口にしてみると、思っていたよりショックを受けていたようで、なんだか落ち込んでしまった。
うなだれる私を見て、アヤはニヤリと笑う。

「寂しいのなら…俺が慰めてやろうか?」