「あれ?これ…」

つま先に1枚のゲームソフトが当たり、ふと手に取る。

「わぁ…懐かしい!」

確か日本で映画化もされた小説で、ミトコンドリアが人間の細胞を操り、人間を乗っ取って…なんて内容だったはず。

「知ってるのか?」

「もちろん。コレの主人公、すっごい格好よくって憧れたもん」

そういうと、彼は笑って答えた。

「あぁ、その気持ちはわかるな」

「だよねー?」

発売されたのはだいぶ昔で、私はまだ幼かった記憶がある。幼馴染のゆうちゃんと一緒に、ゆうちゃんのお兄ちゃんがやっているのをそばで見ていた。
敵をガンガンと銃やグレネードランチャーで倒していく主人公が印象的で、自分も将来、こんな大人になりたいと憧れたものだ。

「えっと…名前、何だったっけー」

うーん、と唸ると、彼が答えた。

「アヤ」

言われて私も思い出した。