なんか…チョーシ狂う。


彼に色々案内してもらいながら、私はいろんなところを歩いて回った。

緑の溢れる大きな公園に、綺麗な噴水のある広場。
広場で買った、美味しいアイスクリームを頬張りながら、澄んだ水の流れる川辺を歩いてみたり、ステンドグラスの見事な協会に入って祈りを捧げてみたり。
時々、ショーウィンドウに飾られてある洋服に足を止めてみたりもした。

あんな言い方をしてきた割に、本人はすっごく楽しそうで、何よりビックリするくらい面倒見がいいというか、世話焼きというか、あれこれ私にいろんなことを教えてくれていた。

「楽しいね」

不意に思ったことが口に出た。

「当たり前だろう?俺が案内してやってるんだ」

彼の笑顔に、私の足が止まる。


言い方は偉そうだけど、でも、嫌じゃないかも、しれない…?


少しだけ高飛車な物言い。
でも、私のためにいろいろしてくれてる。
屈託なく笑う、彼の優しい笑顔。
その笑顔が、自分に向けられていると思うと、自然と鼓動が早くなった。


まさか私…?


どうやら彼をじっと見つめていたようで、彼と目がバッチリあってしまい、視線をそらすことができなくなった。


…かっこいい、な。
やっぱり。


初めて出会った時から思っていたが、改めてそれを再認識した。