「…急に変なこと言うから」

頬っぺたを触ると、少し熱くなっているのがわかった。

パタパタと手で扇いでいると、不思議そうに彼は言った。

「俺は思ったままを口にしただけだ。なにも可笑しいことはないだろう」

彼の言葉に私はただ、口をパクパクとさせるしかできなかった。

「どうかしたか?」

首を傾げる彼に、私はブンブンと頭を横にふった。

「いやっ…そうだなって思っただけ」

「そうだろ?」

言われて私は、ブンブンと首を縦にふった。



ここまで直球で褒められるの(褒められた…んだよね?)初めてだから慌てちゃったよ。



そういえば、大学の英語教えてくれてる教授が言ってたっけ。

『日本人はどうして褒める事まで遠まわしなんだ』

あんまり気にしてなかったけど、こういうことを言ってたのかな?


でも、免疫のない人間に、直球褒め言葉は危ないと思うわ。なんか、変な勘違いしちゃいそうだったもん。