「悪いのは俺の方さ」

達也は百合子の隣りに腰を下ろし、小屋の壁に開いた小窓から夜空を見上げた。

「昼間の雨が嘘みたいだな」

「……」

涙で濡れた顔を上げ、百合子が達也の横顔を見つめた。

「怪我……」

「ああ、どうってことねーよ」

「でも」

「痛っつ……」

伸ばした百合子の指に触れられ、達也が顔をしかめる。

「待ってて」

「いいって!」

バッグを拾いに行こうとする百合子を制し、達也はもう一度隣りに座らせた。