「貴様……ぐあっ!」

さらに脇腹を蹴りあげられ、翔が苦しげに体を折り曲げる。

「あ……ぐ……」

ヒュウヒュウと息を漏らし、力なく床に突っ伏した翔を見下ろし、達也は山車にもたれ掛かった。

「俺のしでかしたヘマは謝る。一生かかってでも償うさ。だがな、それとお前が百合子に震った暴力は別問題だ」

達也は小屋の隅でじっと息を詰めている百合子を見遣り、そのあまりに無惨な姿に唇を噛んだ。

「女に手ぇ上げて楽しいか?」

「ぐ……」

翔の瞳が恐怖におののく。

先ほどまでの威勢など、微塵も感じられない変わりようだった。