私のせいだ……

たっちゃんを救えなかったのも、翔を追い詰めてしまったのも。

全部、私のせいだ。

百合子の脳裏に、二年前の達也との別れのシーンが蘇る。


あの時、どうして私はたっちゃんについて行かなかったんだろう?

そう思うたびに胸が傷んだ。

踏み出せなかった一歩。

その一歩が、百合子の、そして翔の未来をも狂わせてしまった。

バカ、

私のバカ、

こんなハズじゃなかったのに。