「早希、どうしたの?」
なかなか戻ってこない私を心配して、明里が探しに来てくれた。
明里は今日映画を見に来た友達の中でも一番の美人さん。
色白の肌にぱっちり二重の瞳、
睫も長くてお人形さんみたい。
すらっとした身長に長い手足で、
モデルになれそうな…。
さっきの人と並んだら、きっとお似合い。あの人もモデルみたいだったし。
頭の中で明里とあの人のツーショットを想像した。……なんだか明里が羨ましい。
私も明里くらい美人だったら、こんな想いしなくて良かったのかな?
ずっとずっと好きだった人、諦めなくてすんだかな?
もう、忘れようって決めたのに……。