あれから何通もメールのやり取りをして、少しずつ知った彼のこと。
歳は私と同じ高校二年生。
バカ学校だから、と学校は教えてくれなかった。
好きなことは友達と路上ライブをすることで、将来の夢はプロのミュージシャンになって幸せになること。
“早希の将来の夢は?”
画面にうつった文を見つめ、考えてみた。
私は櫂みたいに打ち込めるものもないし。
将来なんて、まだまだ先だと思っていた。
“うーん…幸せになることかな”
どんな職に就いたって幸せだったらそれでいい。漠然としてるけど、それが今の私の答え。
“じゃあ、俺と付き合ってよ”
“何でそーなるの?!”
“幸せにするから”
――幸せにするから。
その小さな約束、今でも覚えていますか?