どうやって振り向かせることができるかを考えた。

そして俊は2年生になってからもし同じクラスだったら話しかけようと決意した。

「なーに。考えてんの!」

俊に声をかけたのは、赤藤愛華。

俊の幼馴染。

「愛華・・・」

「考え事?」

愛華は、俊が座っている前にしゃがんだ。

愛華とはなんでも話せる仲。

だが恋愛対象にはない。

「あぁ。ちょっとな・・・」

「なになに?」

愛華は食いついた。

俊は愛華が恋バナ好きなのは知っている。

しかし、好きな人のことを言えないのは・・・

愛華も、菜緒のことを知らないし、俊自身も菜緒のことを全然知らないからだ。

「愛華」

「ん?」

「菜緒ってやつ知ってるか?」

俊は、聞いた。

「菜緒?だれ?それ」

愛華が知らないのも当たり前だ。

愛華も菜緒に会ったことないのだから。

「もしかして・・・俊が好きな人?」

俊はコクッと頷いた。