「お兄ちゃん!」

私は家に帰ってからすぐにリビングでのんびりしているお兄ちゃんに声をかける。

「菜緒・・・どした?」

いきなり呼ばれたお兄ちゃんはびっくりしていた。

聞かなくちゃ・・・

「お兄ちゃん。五十嵐さんて人知ってる?」

私ははぁはぁ言っていたいきを整え慎重に聞く。

お兄ちゃんは一瞬顔をこわばらせた。

やっぱり・・・

知ってるんだ・・・

「どんな関係なの?」

私は聞く。

「菜緒には関係ない」

とお兄ちゃんは言いさっき読んでいた雑誌に目線を戻した。

「答えて!」

私は、大声で叫んだ。

「菜緒?」

お兄ちゃんは視線を上げた。

やだ・・・

なんで私泣いてんの?

「私!お兄ちゃんがぼろぼろになって帰ってきたのを見た時すごくつらかった。お兄ちゃんをぼこぼこにした人を許せなかった。でも!おに・・・」

「菜緒。ごめん。あんときは本当は帰りたくなかった。でも菜緒が心配してるだろうっておもってあのまま帰ってきた。徹とは・・・もう友達じゃない。」

とお兄ちゃんは私をギュッと抱きしめた。