―――目覚めるの、私。もうすぐ。ずっと待っていたこの瞬間を。待ちくたびれたわ。こんな狭い暗闇の中に放置されて・・・生きてるのが不思議な感覚。


                  
ここは現実では受け止められない世界。不思議な生き物達が住んでいた。正確に言えば、見た目は人間にそっくりの生き物だ。彼らは歌を歌うことや踊ることが大好き。歌をその場の雰囲気で作って歌ってしまう。しかし、みんながみんな上手なわけではなく、下手な生き物もいる。
この変わった世界にとても有名な≪PYT研究所≫という研究所がある。この研究所には誰でも入れるというわけでもなく、ただ選び抜かれた人だけが研究所で作業をすることが出来る。他の一般庶民たちは“PYT”が何を意味するのかすら知らず、ただ研究所を遠くから眺めるだけであった。
研究所で働いている生き物―――妖艶な容姿に、茶髪で白いフードをかぶった若い女の魔法使い、顔に二つばかり大きな傷を覆っている頑固者の科学者、大きな青の伊達めがねがお気に入りで無口な少女、左眼を包帯で隠して靴は絶対にサンダルじゃないと気がすまない天才な青年、-120℃の気候でしか生きることができずとっても暑がりな金持ちの老婆