先生にベル番を渡したのは、いつだっただろう。
「90点の夜くらい、ベル入れてくれないかな」と、期待をしながらいつもの長電話。
奈美とあっちゃんの3人で、トリオホンで喋り続けていた。
私は、もしかしたらに賭けて、最大音量に設定し、ベルが鳴るのを待った。

電話で笑っていると、私のベルが鳴り響いた。電子的な機械音。
反射的にベルを取ると、電話番号だけ入っていた。カタカナ変換はされていない。

先生かな、間違いかな、イタベルかな

適当に電話を切り、入った番号に掛けてみる。
「ベルに入ったので電話したんですが」と、無愛想に電話をした。相手が誰かもわからなかったし、間違いの可能性もあるから。


電話の向こうでから「頑張ったな!90点!」と、先生の声がした。