部屋は真っ暗で何も見えない。

稀菜はそのまま自分の部屋へと向かい、
ベットに倒れ込む。

ぼんやりと天井を見ていると頭の中で
声が聞こえた。


『稀菜、毎日神様に一つお祈りすると
いつかその願いが叶うんだって。』

『ほんとぉ、ママ?』

『ええ。稀菜は何をお祈りする?』

『うんとねぇ、いつも楽しい日であり
ます様にってお祈りする。ママは?』

『ママは、家族皆ずっと幸せであります
様にかな。でもね、祈らなくても
私達きっとずぅ~と幸せであり続けるわ。
ね、稀菜?』

『えぇ~、じゃあお祈りしないの~?』


その声は昔の自分と母親だった。

稀菜は懐かしそうに目を細め、
手を合わせ祈ろうとしたが途中でやめ
服を着替え寝る事にした。