「こいつ以外はみんな自分の
居場所をみつけたんだ。」
そう言い、青年は愛おし
そうに猫の頭をなで
鼻と鼻をひっつけた。
見ると猫は片目、右目が潰れ
尻尾が短い。
稀菜は、さっきのビニール袋
にまだ残っていた物があった。
それを取り出す。
猫用のミルクだ。
猫はそれを見るなり耳をピンと
立てて尻尾を振って稀菜に近つ゛
き擦り寄ってきた。
「よしよし、あなたにもちゃん
とご飯あげるわよ。」
稀菜はそう言い先ほどのパスタ
の蓋にミルクを注ぐ。
猫はすぐにそのミルクをペロペ
ロと美味しそうに飲み始めた。
青年はそれを見てため息を漏らす。