……なんで、


なんで男と抱き合ってんの?




俺の目に映ったのは
男の胸にすっぽり
収まっている理穂の姿



すぐに離れたので、自分の意思で
抱きついたわけではないのはたしかだ




でも、




「ムカツク。」




男と楽しそうに話して
男に赤くなった顔みせてる
理穂を堪らなく抱きしめたくなった



抱きしめて、抱きしめて
めちゃくちゃにキスしてやりたい



俺のモンだ、っていう証を
理穂に刻み込みたい




「…クソ…!」




それが叶わないと知っていても
そう願ってしまう自分がいる




俺は理穂から目をそらし
女達を蹴散らすことに集中した