「……柏木さん」
「私は、貴方を醜いなんて思わない。
そんな女と私は話してたわけ？
プライドが許さないわ」
それは事実だった。
少なくても、私は女に関してはドライだ。
過去にも彼氏を取られただの、取っただの…
いろいろあったから、女は嫌い。苦手だった。
だけど、貴方なら。
って思い始めてたんだよ。
クッキーをもらった、あの瞬間から。
「…うん」
彼女はニコリと微笑んだ。
一点の曇りもない笑顔。
「そんな感情誰にでもあるわ。
きっとあの子にだって」
「そうかな……、でも。
うん。なんか、自信出た」
嬉しそうな様子の彼女を見て、
私も嬉しくなった。
ま、口には出さないけど。
「なんで？」
「……柏木さんの様子、見てたら…
本当にそう思ってくれてるんだなぁって嬉しくなったよ」
「そう。良かったわ」
どんな様子かは、怖くて聞けない。
必死な目をしてたんだろうな、とは予想がついた。
