――どうしよう。
やっぱり私、
先輩のこと………
でも言えない。
言いたくない。
私はまだ、瞬くんのこと、完全に忘れていない。
…そんな私なんか受け入れられるわけ……
もう嫌になっちゃう。
肝心な時に、自分に自信が持てないなんて……。
足元にある石ころをえいっと蹴った。
「……あ、柏木さんだ」
げ。
あの女の友達が、私に向かって歩いて来る。
しかも笑顔で。
「何?」
「…なんか、かわいいなぁと思って」
いきなり、コイツ何言い出すんだ。
「…言われ慣れてるわ」
「ふふ。そうかもしれないけど、言いたかったの。ダメ?」
「…別にダメじゃないけど」
この子、何、天然?
不思議っ子?
狙ってやってるのかな……。はぁぁ。