(母ちゃん、今日も遅いな…) キッチンへ向かい、簡単にご飯を作る。 ふと、携帯が鳴った。 「はい。」 「清香?ママよ。今日も残業があって…」 「わかった。うどん作っとくから。頑張ってね。」 簡単な会話で終わる。 この歳にもなれば夜遅くまで親がいても気にしない。 (疲れにはショウガたっぷりだな。) 炊事は清香の担当。 もちろん嫌ではない。 むしろ、喜んで食べてくれる笑顔が何よりも嬉しかった。