目の前の人間に向井は唖然とする。 「なんだよ、吉村さん。用あんの?」 「うん。ある。あるから来た。」 「じゃあさっさと終わらしてよ。だるいからさ。」 「人の男奪っておもしろい?」 「おもしろいよ。みーんな言うこと聞いてくれるし。」 「うん、わかった。」 向井と清香の会話はこれだけ。 清香は振り向いて野次馬に来ていた生徒に言う。 「じゃあ、お前らが馬鹿だ。」