「いよいよ、球技大会が三週間後に控えた!皆、練習しているかぁっ!」
―――言われなくとも…。
今日は6月に入ったばかりなのにむし暑い。
そしてこの教室は他に比べてむし暑い。
それはきっと、この人のせい…――。
「いいか!怪我には十分気を付けるんだ!」
―――勝手に暑くなっている近藤先生。
先生はみんなと団結がしたい、と言っていたが…
―――クラスは先生抜きで着々と団結を深めている。
「かおるさぁ、なんでバスケにしなかったの?」
近藤先生の話を聞かないでけいはこっちに話かけてきた。
「―――…だって、バスケだとあたしはお荷物になりそうだもん…。」
けいはバスケで、あたしはバレー。悠斗はテニスになった。
けいはあたしを一生懸命に誘ってくれたけど、メンバーを見る限り経験者ばかりでとてもあたしが入れる隙間はない…。
「みんなはそんなこと思わないよ。」
けいはフォローとかしてくれるけど…
「みんなが思わなくても、あたしが思うんだもん!」
「あぁ、ね…。」
そのことについて、けいは何も言えなくなってしまったらしい。
―――…けいと一緒にしたかったけど、やっぱやるからには優勝したいもんね!
「平気!あたしはバレーで頑張るから!けいはあたしの分まで頑張ってね。」
あたしの笑顔を見て安心したのか、けいも笑顔を返してくれた。
――――けいとの話が片付いた頃、先生の話も一段落したみたいだ。
「…以上、解散っ!」
―――実はこれ、朝のホームルームだった。
というか…
なんかみんな急いでいるみたいだけど…。