「悠太、悠斗、おめでとう!…それでは」




「かんぱーい」




体育大会から二日。





かすかな余韻が残る中、今日は藤間家で『おめでとうパーティー』なのである。




もちろん、主催者はあたし。





彼氏ができた今でも、やっぱり双子は幼なじみだから、あたしはこういうことを大切にしたいんだ。




「今日は、双子のためにあたしがあのチーズケーキを買ってきました!」




「…それって自分が食べたかっただけじゃなくて?」




――――ギクッ…!




お、恐るべし。悠斗。



あたしが考えていることバレバレじゃん!






「そ、そんなことないよっ!」




一応、誤魔化しておく。




「ふーん。」




悠斗の意地悪な笑顔があたしの心を覗こうとしている。





…とか、なんとか言っているうちに悠太がチーズケーキを切っていた。




「はい、切り分けたよ。」




と言ってあたしと悠斗に出されたのは、ホールチーズケーキの4分の1ずつ…




悠太の皿をよく見ると、チーズケーキ2分の1がのっていた。





「ちょっと悠太!それひどくない?!」




「へ?なんへふは(なんですか)?」




もう食べてるし…。



また双子に欺かれてこの様だよ。




ま、それがいつもの悠太と悠斗なんだけどね。