「ただいま。」

「お帰り。」

父-石岡 拓輔 イシオカ タクスケ-が玄関で出迎えてくれた。
あたしは、父が大好きだった。
父の笑顔があたしにいつも勇気をくれた。

父と一緒にリビングに向かう途中、父が話し出した。。

「智恵に大事な報告があるんだ。」

「何!?」

「実は…智恵に新しい家族を紹介したいんだ。」

またか…。
これで何人目だろぉ。
なんだか最近、妙に父が浮かれていると思っていたんだ。

父は人が良過ぎるんだ。
まだ、どぉせろくでもない女なんだろぉと思っていた。

「ガチャ。」

リビングのドアを開けるとそこには、とても色が白くて綺麗な女の人が座っていた。

「この人が新しい智恵の“お母さん”だよ。」

父に紹介されあの人は喋り出した。

「初めまして。新しく石岡家の一員になりました。石岡 由貴恵-イシオカ ユキエ-と言います。今日からよろしくね。」

「はい…。」

あたしはそれしか言えなかった。

今までの人たちにも全てこうしてきた。

どぉせすぐこの家からいなくなるのだから…