「響、何だよ、話って?」

「俺がお前呼び出して
話すことなんか
1つしかないだろ!!」

俺は修に腹がたって
しょうがなかった。

今村があれだけ
修のことを思っているのに
修はもう他の女子と
付き合っているんなんて
腹がたってしょうがなかったんだ。

「美優のことか……。」

修が呟くように言った。

「でも、これでお前が
彼氏になるチャンスが
できたじゃないか。」

おちょけたように言う
修に我慢できなくなって
胸ぐらをつかんで怒鳴った。

「修、ふざけるな!!
今村が好きなのは
修なんだぞ!!
今村の顔見たか?!
お前のことを思って
泣いてんだよ!!
なのに、お前は何だよ!
もぅ、他の女子と
付き合ってるって
どういうことだよ?!
修、答えろよ!!」

すると、今度は修が
俺の胸ぐらを掴んで
怒鳴り返した。

「お前にオレの気持ちが
わかるか??
好きな奴がそばにいるのに
離さなくちゃならない
辛さがわかるか?!
オレだって、美優と
別れたくねぇよ!!
けどなぁ、レギュラーに
入ったらそんなこと
言ってられねんだよ!
美優に寂しい思い
させることしか
できないから別れたんだよ!
今付き合ってる奴なんか
好きじゃねえよ!
けど、こうしないと
美優がオレのこと
ふっきれねえから
こうしてんだよ!!
これがお前が聞いた
答えだよ!!
納得したか?!」

はぁ…、はぁ…
修は息をきらしながら
今にも泣きそうな
顔をしていた。

俺は今村の気持ち
ばっかり考えて、
修の気持ちを考えてなかった…

「修、ごめん…。」

「バカ!
お前が謝ること何もねえよ。
怒って当然だろ。」

そのときガシャっと
音がした。

ん…??

音の近くまで行くと
一人の女子がいた。

確かラグビーのマネ?

泣き顔でこっちを
睨んでいた。
いや、修を睨んでいるのか?