「自分で聞いておきながら、照れるなんて、可愛いな」


冬夜を横目で見ると、意地悪な笑みを浮かべた。


すると、冬夜は私の頭を撫でた。


「照れてないし、可愛くない!」


ますます、私は顔が赤く、火照ってきた。


でも、頬に冷たい感触がした。


冬夜の手だ。


ふと、真面目な顔になった。


「一目惚れだよ」


冬夜の黒い瞳は熱く、真剣そのものだ。


知らなかった。


出会ったあの瞬間から冬夜は私の事を……。


しばらく、見つめあっていた。


私は、冬夜の瞳に吸い込まれていた。


「藍は、誰かと付き合ったことある?」


私が何も言わないから、次は冬夜が質問してきた。


「ないよ」


これは、本当。


告白されたのは、冬夜が初めてだし、中川が初恋だし。


だから、正直、戸惑ってる。