トボトボと通学路を歩きながら
思い出に浸っていると、
「おっはよ!」
後ろからポンと叩かれて振り返ると
「あ、おはよー」
円だった。
「なーんで朝からそんな辛気臭い顔してんのよっ」
「んー?
お兄ちゃんの事、思い出してて」
円だけは私の過去を知ってる唯一の人。
そして、私の過去を知ってても離れて行かなかった人。
今、私の顔はどんななんだろう。
きっと冷めてるんだろうなあ。
「……ったくもう。
気分転換に今日の帰りパーっと遊ぼっか!」
「…え?でも円が――「私が遊ぶって言ってんだからいーのっ」
私の言葉を遮って、笑顔でピースしながら言う。