「ついに変態デビューしたか。」
「うん……。」
あたしのしょぼくれる顔に
澪は腹が煮えくりかえったように笑い出す。
「みーおー。」
「はぁ~…あぁ、ごめんごめん...」
目を横目にして睨むあたしに気づき、
ようやく息を整えたみたい。
「あ。もう駅だ。じゃ、明日ね~」
「あぁうん。明日ー。」
いつものように
気がつくと駅に着いているあたしたち。
いつものように別れるあたしたち。
でも澪が大声であたしを呼び止めた。
「明花っ。修学旅行、エンジョイしなさいよ~!」
「わかってるーっ」
「同じ班になれるなんて、恋の女神は明花の味方だね」
そういう澪はさりげなく
人差し指を自分に向けてほほ笑む。
自分が恋の女神とでも
言いたいのかね、あの人は。
「女神さん。あたしがんばるよ」
親指を立てると、澪は
にっこり笑って、うんと頷いた。