祐磨...あんたもなんか言いなよ。
いつもみたいに『邪魔』って...。
「澪ちゃん、この人澪ちゃんの彼氏?」
祐磨が真剣な目つきで、
しかもちょっと泣きそうなうるっとした目で
野上くんを指差して聞いていた。
あたしにそんな顔見せたことないじゃん。
ほんと生意気坊主だな...。
「さ~どうだろうねぇ。ひ・み・つ」
「えっ、そうなの?!」
食らいついたのはあたしのほう...。
澪が変な風にはぐらかすから、
本当に付き合ってるのかと思ったんだけど...
「ごめんごめん、うそだよ。未だに彼氏経験ゼロっ」
「本気になんなよお前も...」
「だ、だって、澪がぁ...」
野上くんにも澪にも笑われた。
いつもなら祐磨も笑うはずなんだけど...。
祐磨はなぜか、
心臓がある場所を抑えて、
ホッと安心した様子を見せた。