焦った幸太郎くんの手によって、目を塞がれた。
「え!?」
なんで!?
「お前っ…自覚無しかよ。」
「よく分かんないんだけど…」
「とにかく、俺は分かるけど普通にかっこいいなんて言うな。」
手を外した幸太郎くんは少し屈んで、いいな?と人差し指を立ててきたから、とりあえず、小さく頷いておいた。
「じゃあ、もう帰るだろ?発表電話らしいし。」
「うん。」
「俺、用事あるから一人で帰れる?」
うん、と。
私の返事も聞かずに、幸太郎くんはまた会場に入っていった。
…今日の幸太郎くんの行動はよく分からないな。