「……ふう。」 緊張感が一気に無くなって、力を抜く。 ロビーを抜け、幸太郎くんの元へ急いで向かう。 早く、伝えたいから。 上手くできたよ、って。 「んー?どこ行ったんだろ?」 さっきいた場所に幸太郎くんは、いない。 Reinaさんのとこかな、お母さんだって言ってたよね。 そう思って踵を返したら。 「…わっ!」 「お疲れ。終わったの?」 気配全然なかったんだけど! 振り返った先に、捜していた人がにこやかに立っていた。