二次審査が終わって外に出ると、幸太郎くんはベンチに座って本を読んでいた。



(本読むとき眼鏡なんだ…)



ぼーっと見つめていると、気づいてこちらを向いた。





「どうだった?」



「んー、ダメかも…」



だって、質問された内容覚えてないくらい慌ててたし…


そう落ち込んでいる私の頭を、幸太郎くんはよしよしと撫でてきた。




「ちょっ…」



「よし、おまじないかけてあげる。」




私の前髪を上げた幸太郎くんはそのまま。



――ちゅっ




「…っ!」



「頑張れ。応援してるから。」




優しい笑顔を私に向けた。