けどきっと、辛かっただろうね。


好きな人が目の前にいるのに、その人は自分じゃない他のひとが好き。


そんなはる君の気持ち、気づいてあげられなかった。


「これで最後。あたし、どんな恰好で行けばいいと思う?」


その質問の内容、はる君は気づいたよね。


「白のワンピース。…かすみはそれがいちばん似合うんだって、言ってた」


また溢れそうになった涙を堪えた。


「………行ってくるね」