その夜……



雄大の家に私はいた。



今日は雄大の家族と私の家族が一緒に、私と雄大の誕生日を祝ってくれる。




テーブルには沢山のご馳走が並ぶ。



仲良く台所で料理をするママと雄大ママ。


ソファーに座って、呑気にテレビで野球観戦をするパパと雄大パパ。


すると、外から雨音が聞こえてきた。


「なに?雨?」

「ユウちゃん、大丈夫?」


キッチンで、ママ達が帰りの遅い雄大を心配していた。


「おばさん?
今朝、雄大傘持っていなかったから、私ちょっと、雄大迎えに行ってきます」


「あら、凛花ちゃん、いいのよ!
少しくらい濡れても、雄大は大丈夫よ」


「でも…」


「この子が迎えに行きたいのよ」


「ママ!!」

「本当のことでしょ?
まだ、少し明るいから大丈夫。
ほら、ユウちゃんを迎えに行ってあげなさい!」


そう言って、ママは私の背中を押した。


「本当にいいの?」


雄大ママは、申し訳なさそうに尋ねる。


「大丈夫です。
じゃあ、行ってきます」


「気を付けてね!」

そう言って、私は傘を2本持って、雄大を迎えに行った。