「そうとは限らないだろ?」


「えっ?」


「別れなんて色々じゃん。
世の中には、好きで別れてしまうカップルだっているだろ?

片方だけの気持ちが冷めちゃって、フラれるケースなんていっぱいあるじゃん?」


すると突然、凛花が俺の腕にしがみついてきた。


「何?」


「あたしはヤダからね!
雄大と好きのまま別れるのは!!」



「あのなぁ…」


つい呆れて、笑ってしまった俺。


だけど、凛花は真顔で言ったんだ。


「もし…あたし達が別れたら、あたし達、付き合う前のように、仲の良い“幼なじみ”に戻れるのかな?」



あの時の凛花の顔を、俺は今でも忘れない。