数分後……


俺たちは、玄関前の石段に腰を下ろし、肩を並べ、線香花火に火を点けた。



「ねぇ、雄大?
 知ってる?」


「うん?」



「田上君と小夏ちゃん、別れたんだって」



『田上君と小夏ちゃん』とは、同級生のカップル。


仲が良くて、美男美女カップルで、学年中の
“注目カップル”だった。



「あんなに仲が良かったのに……
あっさり別れちゃって、ちょっと残念。
お似合いだったのになぁ……」


「何で別れたんだろうなぁ?」


「さぁ?それはよく知らない」


「まぁ、人の恋愛にどうこう言うつもりはないから、別にいいんだけど」


「どんなに仲良くても、別れる時は、一瞬のうちに気持ちが離れちゃうのかな……?」



人の事なのに、凛花は本気で寂しい顔をしていた。


そんな素直な凛花が、俺は好きなんだ。