「萌己おはよ!」




小学5年生の時からずっと一緒の萌己(もこ)がいつものように家の前で待ってくれた。





スクールバッグにはお揃いの茶色のくまがついている。そのくまは踊るように、私達が歩くリズムに合わせて揺れる。




周りには、同じ制服を来た人達が沢山いた。




そして私達は『入学式』と書いてある大きな看板の前に来ていた。



『せーの』




と声を揃えて校門を抜ける。玄関に向かい自分達のクラスを確認する。



「怜衣!クラス一緒だよ」


「本当!?」




と驚いた表情で自分と萌己の名前を探す。



「ホントだ!あったぁ」


と、大きな声で喜んでいる私達を見て周りの男子はクスクスと笑っている。


そして、髪を巻いた茶髪の女の子が私の隣を通った時に舌打ちをした。




私はそれでも萌己とはしゃいでいた。