桜の舞う季節。
今日から新しい生活の始まり。ずっと憧れていた高校生活。
中学とは違い、校則もあまり厳しくない学校を選んだ。
だから、彼氏を作って、放課後デートして。
友達といっぱいお話して、帰り際にはアイスクリームを買って食べながら帰ったり…
そんな日々をまだか、まだかと待っていた。
ベッドから足を下ろし、鏡の前に座り、可愛いいちご柄の化粧ポーチを広げた。
軽くアイラインを引き、頬にピンク色のチークを付ける。長く、少々茶髪が混ざった髪を1つにまとめて縛る。
新しい制服を身にまとい、自分の部屋を出てリビングにむかった。
キッチンに立ち朝食を作っているお母さんに笑顔で
「おはよっ」
と、声をかけてイスに座る。すると、パン、サラダ…次々に朝食が運ばれてくる。
私は、10分ほどかけて朝食を完食し、バッグを持ちイスを立った。
「じゃあまた後で。いってらっしゃい」
「うん。バイバイ」
お母さんに別れを告げ、勢いよく玄関のドアを開けた。