耶恵は、というと
あたしたちを連れて全速力でC組へ向かっていた。
ああ
そういうことか。(笑)
C組の人もみんなぞろぞろ教室を出て廊下に並び初めていて、
男子の列、背の順の最後尾にあたしたちが探している人物を見つけだした。
「おー景介、玲衣、耶恵仲良さそーで♪」
背の高い、
生意気な佑輝はあたしたちを見て笑ったが
「「「お前も来るんだよばかっ!」」」
「はっ?!ちょっ…」
景介が佑輝の手を掴んだのを確認して、
先頭の耶恵はまた全速力で走りだした。
次に向かうのは
B組
耶恵は景介と繋いでいた手を急に離した。
耶恵は走りながらあたしの方を向いてウインクをした。
まさか……
「ぉわっ?!ちょっ…耶恵急に離すなよ!」
景介は離された行き場のない左手を
あたしの空いた右手を掴んだ。
誤解しないでね。
繋いだんじゃなく、
掴んだんです。
その時はね。
変なキュッとしたこの想いはよく分かんないけど
耶恵があたしにウインクした意味が分かった。