「あの!
……終着駅からは
帰りの列車が出ますよね!?
現世に帰れないと
困るんです!」
駅を出てどんどん
スピードを上げていく
列車に合わせてか、
私の胸の内もどんどんと
焦燥に駆られていく。
だがやはり
返事はしてくれない。
そしてその手だけ
見える誰かは
再びスコップで
火室に炭をくべだした。
車掌は現世とあの世を
往復できる切符を
くれたはず……。
だからおとなしく
してろと……。
しかし帰れる保証は
何一つない。
もし車掌が嘘をついていて
列車が出ないのなら、
もしくは
片道切符だとしたら、
私は数分後に……死。
小さい頃
寝る前にふと考えて
眠れなくなってしまった
影も形も想像できない
死が迫っている事になる。
なんにせよ
ぐずぐずしない方が
いいような気がする。
私は目の前の顔もわからない
見知らぬ誰かに一礼をして
後ろの列車へと
いそめいて歩きだした。
……終着駅からは
帰りの列車が出ますよね!?
現世に帰れないと
困るんです!」
駅を出てどんどん
スピードを上げていく
列車に合わせてか、
私の胸の内もどんどんと
焦燥に駆られていく。
だがやはり
返事はしてくれない。
そしてその手だけ
見える誰かは
再びスコップで
火室に炭をくべだした。
車掌は現世とあの世を
往復できる切符を
くれたはず……。
だからおとなしく
してろと……。
しかし帰れる保証は
何一つない。
もし車掌が嘘をついていて
列車が出ないのなら、
もしくは
片道切符だとしたら、
私は数分後に……死。
小さい頃
寝る前にふと考えて
眠れなくなってしまった
影も形も想像できない
死が迫っている事になる。
なんにせよ
ぐずぐずしない方が
いいような気がする。
私は目の前の顔もわからない
見知らぬ誰かに一礼をして
後ろの列車へと
いそめいて歩きだした。