そしてその中には
私の名前と
ハジメさんの名前も
載っていた。

しかしその内容は
何かおかしい。

ハジメさんの生年月日。
1872年生まれ、
……と書いてある。

大政奉還があって
明治維新が1868年だから
そこから数えると
ハジメさんは明治5年生まれ?

そんな訳ない……。

年の割にオヤジっぽい所も
ある気はするが
それとこれとは話が別だ。

まぁこの列車に乗る人は
あまり時代や年代なんかは
関係ないみたいだし
きっと人違いかなんかだとは
思うけど……。

それにしても
死んだ人が乗る列車の
乗客名簿に
自分の名前が交じってるのは
どうも嫌な気分だ。

まるで私達まで
死んじゃったみたい。

……ん?

とその時、私の脳裏に
嫌な予感がよぎった。

……なんで私達の名前が
乗客名簿に載っている?
私達は無断乗車したのに。

列車は今『古里』と書かれた
駅を出発した。
現世のままだと
次は『鳩ノ巣』で
その次が終着駅だ。

終着駅は黄泉の国に
なってるはず……。