「そうしたいのは
やまやまですが
今ここで降りられても
路頭に迷って
しまわれるでしょう。
終点からなら
帰りの列車が出ます。
往復できるように
特別に切符を
差し上げますので
ひとまずコレの中で
どうかおとなしくしていて
ください」
そう言って
制服のポケットから
切符らしき小さな黒色の紙を
2枚取り出し、
鉄の改札ばさみでバチッと
力強く切り取り跡をつけて、
それをよこす。
切符には金字で、
浮き出てきたような文字が
書いてあったけど、
なんて読むのかは
よくわからない。
「……あの」
私はそこで口を挟んだ。
「『コレ』とは
何でしょうか?
電車の事……ですよね?」
「いえ、
電車ではありません。
『コレ』は魂を
黄泉の国へ運ぶ特急列車。
野辺送りの霊柩車と
言ったところでしょうか。
ダイヤはありますがね。」
するとその男は
傍らに置いてあった
ジュラルミンケースを
開けて、
中からこれまた黒い
名簿のような冊子を取り出し
何かを確認する。
私はと言えば
ただ呆気にとられ
口をあんぐりと開けていた。
……魂を運ぶ特急列車?
それって乗ったら
どうなるの?
そんな簡単に乗れちゃうの?
やまやまですが
今ここで降りられても
路頭に迷って
しまわれるでしょう。
終点からなら
帰りの列車が出ます。
往復できるように
特別に切符を
差し上げますので
ひとまずコレの中で
どうかおとなしくしていて
ください」
そう言って
制服のポケットから
切符らしき小さな黒色の紙を
2枚取り出し、
鉄の改札ばさみでバチッと
力強く切り取り跡をつけて、
それをよこす。
切符には金字で、
浮き出てきたような文字が
書いてあったけど、
なんて読むのかは
よくわからない。
「……あの」
私はそこで口を挟んだ。
「『コレ』とは
何でしょうか?
電車の事……ですよね?」
「いえ、
電車ではありません。
『コレ』は魂を
黄泉の国へ運ぶ特急列車。
野辺送りの霊柩車と
言ったところでしょうか。
ダイヤはありますがね。」
するとその男は
傍らに置いてあった
ジュラルミンケースを
開けて、
中からこれまた黒い
名簿のような冊子を取り出し
何かを確認する。
私はと言えば
ただ呆気にとられ
口をあんぐりと開けていた。
……魂を運ぶ特急列車?
それって乗ったら
どうなるの?
そんな簡単に乗れちゃうの?