その時、話していた
ハジメさんの顔色が変わる。
心の中で私が
小ばかにしたのを察して
怒ったわけではない。
それに私もすぐ気がついた。
進行方向の後ろの列車から
黒い気の塊が
辺りに腐肉を
撒き散らしながら
扉を開けてやってきたのだ。
途端に驚いてるような
叫び声が聞こえる。
……と言っても人には
見えないオバケだけだけど。
でもそれは間違いなく
人にも有害な悪徳なるもの。
オバケ達は大騒ぎで
一目散に前の列車へと
駆け込んでいってしまった。
そいつが一歩足をだすたびに
人は咳きこみ
辛そうな面もちで
頭を抱えだす。
「……死にかけてるな。
危険だ。一緒にあの世へ
引きずり込まれるぞ。
俺達も前の列車へ
逃げよう。」
と、私の手をとる
ハジメさん。
……さっきのマタギは
本当の事を言っていたんだ。
「ちょ、ちょっと待って!」
マタギは窓を
開けろと言っていた。
訳がわからなかったから
聞き流していたけど
黒く淀んだ気を
外に逃がすためか
見えない人達への
配慮か何かか……。
だけど窓だけ開けて
その場から走って
いなくなるなんて行動は
周りから見たら
どう考えても変人じゃ……。
ハジメさんの顔色が変わる。
心の中で私が
小ばかにしたのを察して
怒ったわけではない。
それに私もすぐ気がついた。
進行方向の後ろの列車から
黒い気の塊が
辺りに腐肉を
撒き散らしながら
扉を開けてやってきたのだ。
途端に驚いてるような
叫び声が聞こえる。
……と言っても人には
見えないオバケだけだけど。
でもそれは間違いなく
人にも有害な悪徳なるもの。
オバケ達は大騒ぎで
一目散に前の列車へと
駆け込んでいってしまった。
そいつが一歩足をだすたびに
人は咳きこみ
辛そうな面もちで
頭を抱えだす。
「……死にかけてるな。
危険だ。一緒にあの世へ
引きずり込まれるぞ。
俺達も前の列車へ
逃げよう。」
と、私の手をとる
ハジメさん。
……さっきのマタギは
本当の事を言っていたんだ。
「ちょ、ちょっと待って!」
マタギは窓を
開けろと言っていた。
訳がわからなかったから
聞き流していたけど
黒く淀んだ気を
外に逃がすためか
見えない人達への
配慮か何かか……。
だけど窓だけ開けて
その場から走って
いなくなるなんて行動は
周りから見たら
どう考えても変人じゃ……。