みんなあたしを見てる。
あたしは目立ちたがりじゃないから、視線は痛い。
視線だけであたしの身体に穴空けないで
って言いたい。
これから大事な事あるし。
視線をUVカットのように跳ね返し、学校の門をくぐる。
久しぶりの下駄箱
久しぶりの上履き
久しぶりの廊下
久しぶりの先生達
みんな久しぶりで楽しくなっちゃう。
そんな事を思いながら教室のドアを開ける
「あっ」
1番最初に声を出したのは
あたしに慰める気なんか無かったって言った、あたしの友達。
今、何を思ったんだろう
「来やがった。一生来ないほうが良かったのに」
って思った?
まぁそんなのどうでもい
い
あたしは小さな声で「おはよ」と言い、席に座り
……たいんだけど
久しぶり過ぎて席を忘れてしまった。
うろちょろしてるとクラスの人が無言で窓側の席を指差した。
「ありがと」と言って、荷物を机の横に掛ける。
まだみんな驚いてる。
そんな驚かなくてもいいじゃない。
ったく。
HRまで時間があった。
机に腕をバッテンに組んで、その真ん中に頭を乗せる。
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